○大山崎町議会基本条例
平成26年9月22日
条例第17号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第4条・第5条)
第3章 町民と議会の関係(第6条)
第4章 議会と町長等の関係(第7条―第10条)
第5章 議会の運営(第11条―第15条)
第6章 議会の活動基盤(第16条―第24条)
第7章 議会改革の推進(第25条・第26条)
第8章 補則(第27条)
附則
前文
私たち大山崎町議会は、選挙により選ばれた議員で構成された町民の代表であり、首長とともに、憲法に定められた二元代表制の一翼を成すものです。
議会は、その役割を深く自覚し、すなわち執行機関の監視、評価機能及び、政策提言、立案等について、その機能をいかんなく発揮し、町民の負託に応えるとともに、地方自治の本旨にのっとり、住民福祉の向上と町政の発展を目指し、ここに大山崎町議会基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、町民に身近な存在である議会及び議員の活動の活性化と充実を図り、二元代表制にふさわしく町民に開かれた議会運営の基本的事項を定めることによって町民の負託にこたえ、福祉の向上と町政の発展を目指すことを目的とします。
(この条例の位置付け)
第2条 この条例は、議会に関する基本的事項を定める条例であり、議会における最高規範です。
2 議会は、議会に関する他の条例等を制定し、又は改廃する場合においては、この条例の趣旨を十分に尊重しなければなりません。
(議会及び議員の責務)
第3条 議会及び議員は、この条例及び議会に関する他の条例、規則等を遵守して議会を運営します。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第4条 議会は、町民の代表機関であることを自覚し、町民に開かれた議会運営を目指すため、議会に関する情報を公開し、議会の透明性の向上及び信頼の確保に努めます。
2 議会は、町民の意思を的確に把握し、把握した意見及び町政運営の状況を踏まえ、政策立案及び政策提案を行います。
3 議会は、充実した調査活動に基づき、論点及び争点を明確にした審議と討論を行います。
4 議会は、議員相互間の活発な議論が行われるよう努めるとともに、議員平等の原則にのっとり、民主的で円滑な運営を推進します。
(議員の活動原則)
第5条 議員は、町民の代表として、町民の多様な意見を把握して町政に反映させるため、積極的に政策の提案及び提言を行い、町民福祉の向上及び町政の発展に取り組むことを使命とします。
2 議員は、町民の負託にこたえるため、町民の意見を的確に把握するとともに、自己の資質を高める不断の研さんによって、町民代表としてふさわしい活動を行います。
3 議員は、議員相互間の活発な討論と議論を推進します。
4 議員は、自らの議会活動について、町民にわかりやすく説明します。
第3章 町民と議会の関係
(町民参加と議会との関係)
第6条 議会は、その透明性を高めるとともに町民に対する説明責任を果たすため、議会の活動に関する情報を積極的に公開するものとします。
2 議会は、本会議のほか、すべての会議を原則公開とします。
3 議会は、必要に応じて地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)による専門的知見の活用、並びに参考人制度及び公聴会制度を活用して町長及び執行機関の職員(以下「町長等」という。)の意見を聴き、議会の政策形成に反映させるよう努めるものとします。
4 議会は、委員会での請願及び陳情の審査においては、提案者の意見を聴く場を設けることができます。
5 議会は、議案に対する各議員の態度を議会広報及びホームページで公表する等、議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めます。
6 議会は、必要に応じて町民との懇談会及び議会報告会等、町民との意見交換の場を設けるなど、町民の意見を把握して議会活動に反映させるよう努めるものとします。
第4章 議会と町長等の関係
(議会と執行機関との関係)
第7条 議会は、町政運営を常に監視及び評価し、町長等とは常に緊張関係を保持するよう努めます。
2 議会の本会議における議員と町長等の質疑応答について、議員は論点及び争点を明らかにして質疑又は質問するものとします。この場合、町長等は、誠実に答弁しなければなりません。
3 本会議及び委員会において、町長等は議員の質問に対して、議長又は委員長の許可を得て質問の趣旨を確認するため発言することができます。この場合、議長又は委員長は、必要に応じて、発言の差し止め又は取り消しを命ずることができるものとします。
4 議員は、法で規定されている場合を除き、町長等の指揮下にある審議会など、附属機関への委員としての参画をしてはならないものとします。
(町長による政策形成過程等の説明)
第8条 議会は、提案された重要な政策、施策又は計画等(以下「政策等」という。)について、議会審議における論点を整理し、その政策水準を高めるとともに、議会責任を担保するため、提案に対し次の各号に掲げる事項について明らかにするよう求めるものとします。
(1) 政策等の発生源
(2) 検討した他の政策等の内容
(3) 他の自治体の類似する政策等との比較検討
(4) 総合計画等における根拠又は位置づけ
(5) 関係ある法令及び条例等
(6) 政策等の実施にかかる財源措置
(7) 将来にわたる政策等のコスト計算
(予算・決算における政策説明資料の提出)
第9条 議会は、町長に対し、提案される予算案及び決算の審議にあたっては、前条の規定に準じて、分かりやすい施策別・事業別の政策説明資料を提出するよう求めるものとします。
(議会の議決事項)
第10条 地方自治法第96条第2項の規定に基づく議会の議決事項は、総合計画基本構想に基づく基本計画の策定、変更等とします。
第5章 議会の運営
(本会議)
第11条 定例会の回数については、大山崎町議会定例会に関する条例(昭和31年条例第9号)の定めるところによります。
2 定例会及び臨時会の会期及びその延長並びに開閉に関する事項は、会議規則の定めるところによります。
(議員間の自由討議)
第12条 議員は、議会が自由な討議を行う場所であることを認識しなければなりません。
2 議員は、議会の運営及び議案等の審議又は審査において、議員間の相互の自由討議に努め、議論を尽くし、議会の意思を決定しなければなりません。
3 議員は、議員相互間の自由討議により合意形成し、政策立案、政策提言等を積極的に努めるものとします。
(委員会)
第13条 委員会は、所管にかかわる町政の課題について町長提案の議案等の審査、所管事項の調査及び政策提案を積極的に行うものとします。
2 常任委員会は、町政の課題、町長等による政策の形成、事務事業の執行の状況等に対応して機能的に開くものとします。
3 特別委員会は、町政の課題等に対応して必要がある場合に設置するものとします。
4 委員会審査に当たっては、資料等を積極的に公開しながら、町民に対しわかりやすい議論を行うよう努めます。
(調査機関の設置)
第14条 議会は、町政の課題に関する調査のため必要があると認めるときは、議決により、有識者等で構成する調査機関を設置することができます。
2 議会は、必要があると認めるときは、前項の調査機関に議員を構成員として加えることができます。
(会派)
第15条 議員は、議会活動を円滑に実施するために、会派を結成することができます。
2 会派は、議員の活動を支援するとともに、政策立案及び政策提言のために調査研究等を行います。
第6章 議会の活動基盤
(議員定数)
第16条 議員定数は、大山崎町議会の議員の定数を定める条例(平成14年条例第27号)に定めるところによります。
2 議員定数の改正に当たっては、行財政の視点及び他団体との比較だけでなく、この条例に定める議員の役割を果たし、町民の意思を把握し町政に反映させるために必要な人数を考慮するものとします。
(議員報酬)
第17条 議員報酬は、大山崎町議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例(昭和41年条例第2号)に定めるところによります。
2 議員報酬の改正に当たっては、行財政の視点及び他団体との比較だけでなく、議会機能の充実や町政の現状と課題、及び将来の予測と展望を十分に考慮するものとします。
(議員の政治倫理)
第18条 議員は、町民全体の代表者として高い倫理性が求められていることを深く自覚し、地位に基づく影響力を不正に行使するなど、町民の疑惑を招くことのないよう行動するものとします。
(政務活動費)
第19条 政務活動費は、大山崎町議会政務活動費の交付に関する条例(平成25年条例第1号)に基づき、町政の課題及び町民の意思を把握し、町政に反映させる活動その他の住民福祉の増進を図るために必要な活動に資するために交付します。
2 議会は、政務活動費の使途については、公正性、透明性を確保するために公開します。
(議員研修の充実強化)
第20条 議会は、議員の審議能力、政策形成及び立案能力の向上を図るため、議員の研修の充実強化を図ります。
2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例の研修を行うものとします。
(議会広報の充実)
第21条 議会は、議会広報誌、ホームページ等多様な広報手段を活用し、議会活動に関する情報の積極的な公開に努めます。
2 議会は広報編集委員会を設置し、議会広報誌及びホームページの充実に努めます。
(議会事務局)
第22条 議会は、その権能の発揮、及び議会活動の円滑かつ効率的な運営に資するため、議会事務局の機能の充実及び組織の体制整備に努めます。
(議会図書室)
第23条 議会は、議会及び議員の調査研究に資するため設置する議会図書室を適正に管理、運営するとともにその充実に努め、併せて町民への公開や有効活用を図ります。
2 議員は、調査研究のため、積極的に議会図書室を利用するものとします。
(災害時の対応)
第24条 議会は、災害時において積極的に対応できるよう、危機管理体制の整備に努めるものとします。
2 災害時の議会の活動基準に関しては、大山崎町議会業務継続計画(議会が災害時においても議会としての機能を果たすために必要な事項を定めた計画をいう。)で定めるところによります。
第7章 議会改革の推進
(議会の機能の強化)
第25条 議会は、その権能を発揮し、及び発展させるため、議会改革に継続的に取り組むなど、既存の制度や運営の方法等について、不断の見直しを行うものとします。
(交流及び連携の推進)
第26条 議会は、他の地方議会等との連携を図りながら、その権能の発展及び機能の強化を図るための活動、研究等を行うものとします。
第8章 補則
(条例の見直し)
第27条 議会は、社会情勢の変化、町民の意見等を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて、所要の措置を講じることとします。
附則
この条例は、公布の日から施行します。
附則(令和5年条例第21号)
この条例は、公布の日から施行する。