○大山崎町手話言語及び聞こえに障害(障がい)のある人のコミュニケーション手段の促進と聞こえの共生社会の実現を目指す条例
令和3年3月23日
条例第1号
言語は、お互いの感情を分かり合い、知識を蓄え、文化を創造する上で不可欠なものであり、人類の発展に大きく寄与してきた。手話言語は、聞こえる人たちの音声言語と異なる言語であり、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語である。ろう者は、物事を考え、コミュニケーションを図り、お互いの気持ちを理解し合うため、また、知識を蓄え、文化を創造するため、聞こえる人たちの音声言語と同様に、生きるために必要な言語として手話言語を大切に育んできた。
しかしながら、過去において手話が言語として認められず、ろう学校で使用が禁止されるなど、手話を使用することができる環境が整えられてこなかった歴史がある。
また、ろう者だけでなく、多くの聞こえに障害(障がい)のある人は、その多様な障害(障がい)の特性に応じたコミュニケーション手段について社会の理解が十分でなく、日常生活や社会生活等において多くの困難を抱えている。聞こえに障害(障がい)のある人にとって、「害」は今なお社会的障壁として存在しており、そのことを共通認識したうえで、聞こえに障害(障がい)のある人もない人もそれぞれが相互理解を深め、共生社会を実現させていく必要がある。
こうした状況を鑑み、本条例中においては、「障害(障がい)」という表記を用いるとともに、障害者の権利に関する条約や障害者基本法において言語として位置付けられた手話をはじめ、要約筆記や筆談など、聞こえに障害(障がい)のある人のコミュニケーション手段の普及を図り、聞こえの障害(障がい)についての理解を深め、もって、すべての人が、聞こえの障害(障がい)の有無によって分け隔てられることなく、ともに安心して自分らしく暮らせる共生社会の実現を図るため、この条例を制定するものである。
(基本理念)
第1条 聞こえに障害(障がい)のある人が、関わり合う人と相互にコミュニケーションをとり、互いに人格と個性を尊重し合いながら心豊かに共生することができる地域社会の実現を目指す。
(町の責務)
第2条 町は、前条の基本理念にのっとり、手話言語の普及及び聞こえに障害(障がい)のある人のコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策を推進するものとする。
(施策の実施)
第4条 町は、次の各号に掲げる施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。
(1) 手話言語及び聞こえに障害(障がい)のある人のコミュニケーション手段に対する理解及び普及を図るための施策
(2) 町民が手話言語及び聞こえに障害(障がい)のある人のコミュニケーション手段による意思疎通を行い、又はそれらに係る情報を得る機会の拡大のための施策
(3) 町民が意思疎通の手段として手話言語及び聞こえに障害(障がい)のある人のコミュニケーション手段を選択することが容易にでき、かつ、使用しやすい環境の構築のための施策
(4) 意思疎通支援者の確保及び養成支援に関する施策
(5) 前4号に掲げるもののほか、町長が必要と認める事項
(委任)
第5条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。
(大山崎町手話言語及び聞こえに障がいのある人のコミュニケーション手段の促進に関する条例制定検討委員会設置条例の廃止)
2 大山崎町手話言語及び聞こえに障がいのある人のコミュニケーション手段の促進に関する条例制定検討委員会設置条例(令和2年条例第21号)は、廃止する。
(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
3 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年条例第12号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略