平成28年度決算

広報おおやまざき平成29年11月号でもお知らせいたしました通り、平成29年度町議会第3回定例会で認定されましたので、その概要をお知らせいたします。

なお、決算収支の状況・収入の状況・目的別経費の状況・性質別経費の状況等の財政状況の経年比較表については、次のリンク「平成28年度決算事務報告書」よりご覧ください。

平成28年度決算事務報告書

一般会計【収支】

平成25年度以来の実質単年度収支赤字

 平成28年度は、「大山崎町第4次総合計画・前期基本計画」の初年度であるとともに、「大山崎町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の本格稼働にあたる年であり、国の交付金を活用した事業を始めとする地方創生のための事業や、子育て支援・待機児童対策、都市基盤整備などのさまざまな事業を行いました。これにより、歳入・歳出ともに前年度に比べ増加となっています。

 歳入は、58億5,079万9千円で前年度より2億8,420万1千円(+5.1%)の増。歳出は、57億894万6千円で前年度より2億2,510万6千円(+4.1%)の増となりました。

 歳入から歳出を差し引きした形式収支は1億4,185万3千円で、ここから翌年度への繰越事業の財源となる2,215万6千円を差し引いた実質収支は1億1,969万7千円となり、今年度も黒字決算となりました。

 この実質収支額には、歳入に前年度からの繰越金が含まれていますので、ここから前年度の実質収支額6,497万4千円を差し引きした単年度収支は5,472万3千円の黒字となります。

 この額から、歳入(繰入金)に計上されているものの実質的には資金繰りのマイナス要素である、「財政調整基金の取り崩し額5,945万1千円」を除き、歳出(積立金)に計上されているものの実質的には資金繰りのプラス要素である、「新たに基金へ積み立てた12万6千円」を加えたものを実質単年度収支といい、今年度はマイナス460万2千円の赤字となりました。

 実質単年度収支が赤字になるのは平成25年度以来3年ぶりです。

 実質単年度収支が赤字となった主な要因としては、子育て支援や待機児童対策などの扶助費を中心とした義務的経費等の歳出が増加する一方で、地方消費税交付金等の税連動交付金や、「減収補てん債」等の歳入が大幅に減額となったことがあります。

全会計の決算額 

区  分 歳入決算額 歳出決算額 差引額
一般会計 58億5,079万9千円 57億0,894万6千円 1億4,185万3千円
事業特別会計 39億1,198万6千円 36億4,023万7千円 2億7,174万9千円
内訳 国民健康保険 17億9,501万5千円 16億4,185万4千円 1億5,316万1千円
下水道 5億4,067万1千円 5億2,880万円 1,187万1千円
介護保険 13億2,673万3千円 12億3,125万3千円 9,548万円
後期高齢者医療保険 2億4,956万7千円 2億3,833万円 1,123万7千円
財産管理特別会計 3,722万9千円 505万8千円 3,217万1千円
内訳 大山崎区 3,345万9千円 455万9千円 2,890万円
円明寺区 363万9千円 37万9千円 326万円
下植野区 13万1千円 12万円 1万1千円
主な事業(28)

一般会計【歳入】

法人税割の大幅減が続く・ふるさと納税は大幅増

 歳入のうち、町税などの町が独自に調達できる「自主財源」が約52.5%、町債や地方交付税、国・府からの支出金などの「依存財源」が残りの約47.5%を占めています。

歳入の根幹をなす町税は25億2,689万9千円で、歳入総額に占める割合は43.2%で、前年度より2,188万円(+0.9%)の微増となりました。ただし、町税のうち町民税法人税割は4年連続で減収となっており、今年度においても前年度より3,603万1千円(-38.1%)の減額となりました。4年前の平成24年度の決算額3億2,306万2千円と比較すると、5分の1以下になっています。

町税の推移(28)

 町税以外では、ふるさと納税のPR強化による、「寄附金」前年度比5,590万9千円、163.4%の増や、「地方交付税」前年度比6,228万7千円、10.4%の増。「国庫支出金」では、地方創生加速化交付金事業、臨時福祉給付金給付事業、小規模保育所等整備事業の実施等に伴い、対前年度1億5,793万6千円、30.7%の増。「府支出金」では、地域密着型特別養護老人ホーム整備助成事業の実施等に伴い、対前年度1億3,933万8千円、36.4%の増。「繰入金」でも、財政調整基金の取崩しを行ったことにより、対前年度5,443万9千円、148.5%の増となりました。

 一方、「地方消費税交付金」で対前年度3,383万6千円、11.5%の減。「町債」では、「減収補てん債」の発行額が減少したこと等により、対前年度1億1,230万円、16.0%減と、それぞれ減額となっております。

歳入決算額(28)

一般会計【歳出】

普通建設事業費は65.2%増

 歳出については、まず目的別で見てみます。前年度と比較して大きく増額となった主なものは、「民生費」で、臨時福祉給付金給付事業、小規模保育所等整備事業、地域密着型特養整備助成事業の実施等に伴い、対前年度3億5,958万1千円、18.8%、「土木費」で、円明寺線第48号新設工事や、円明寺が丘団地・下植野団地の側溝改修工事、天王山古戦橋道路改良工事、道路用地等の土地開発公社先行取得用地の買戻しの実施に伴い、対前年度1億3,668万8千円、32.1%の、それぞれ増額。また、「災害復旧費」では、天王山ハイキングコース災害復旧工事の実施に伴い、対前年度1,600万8千円、皆増となっています。

一方、前年度より大きく減額となった主なものは、「公債費」で、借換債の発行が無かったことにより、対前年度7,604万7千円、13.4%の減額となりました。

 次に性質別で見てみると、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費の合計は、扶助費の大幅増(+7.5%)に伴い約9,510万円、3.7%の増額となっています。

その他、普通建設事業費は約2億4,600万円の増、物件費は約1億円の増となっています。

一方、補助費等は約6,200万円、積立金は約7,000万円の減額となっています。

性質別歳出(28)

歳出を住民一人あたりでみると

  【1人あたり】 説明
議会費 6,677円 議会運営に関する経費です。
総務費 51,757円 戸籍・住民登録、徴税、選挙、統計調査や交通安全など、町の総括的な事務事業に要する経費です。
民生費 144,440円 健康や福祉の向上のための経費です。
衛生費 29,217円 主に予防接種やがん検診、ごみ処理に要する経費です。
労働費 341円 勤労者福祉のための経費です。
農林水産業費 1,543円 農業振興や天王山の森林整備に関する経費です。
商工費 1,289円 商工や観光の振興に要する経費です。
土木費 35,811円 主に道路やまちづくりに関する経費です。
消防費 22,766円 皆さんの生命と財産を守るための経費です。
教育費 37,194円 学校教育及び生涯学習・文化・スポーツ等に要する経費です。
災害復旧費 1,019円  
公債費 31,318円 町債の返済に要する経費です。
1人あたり
歳出決算額
363,373円  
平成28年度末
住民基本台帳人口
15,711人 平成29年3月31日現在の人口に基づいて計算しています。

財政指標等の状況について

 自治体の財政状況を表す指標として、健全化判断比率があります。

 これは、地方公共団体の財政状況を客観的に表し、財政の早期健全化や再生の必要性を判断するためのもので、4つの財政指標が定められています。

 平成28年度決算に基づく本町の比率及び、過去5年間の推移は表のとおりです。いずれの比率においても早期健全化基準(財政状況が悪化していると考えられ、改善計画の策定を義務付けられる基準)には該当していません。実質赤字比率、連結実質赤字比率については、全会計において実質赤字額がないため該当がなく、健全財政を維持しています。

また、財政構造の弾力性を表す経常収支比率については、自主財源の伸びなやみと医療費負担など義務的経費の増加により、前年度96.0%から今年度97.8%となり、高い値を示しています。

財政状況を表す各指標の推移 

  H28 H27 H26 H25 H24 早期健全化基準
健全化判断比率 1.実質赤字比率 - - - - - 15.0%
2.連結実質赤字比率 - - - - - 20.0%
3.実質公債費比率
(3年平均)
5.8% 7.1% 9.8% 14.0% 13.0% 25.0%
4.将来負担比率 53.9% 49.2% 52.1% 62.3% 71.4% 350.0%
その他の指標 5.財政力指数
 (3年平均)
0.813 0.830 0.819 0.814 0.814
 (単年度) 0.787 0.820 0.833 0.837 0.787
6.実質収支比率 3.2% 1.7% 2.6% 2.9% 4.1%
7.経常収支比率 97.8% 96.0% 99.2% 97.0% 90.5%

用語の説明

1.実質赤字比率 地方公共団体の最も主要な会計である「一般会計」等に生じている赤字の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。
2.連結実質赤字比率 水道事業などの公営企業を含む「地方公共団体の全会計」に生じている赤字の大きさを、財政規模に対する割合で表したものです。 
3.実質公債費比率 地方公共団体の借入金(地方債)の返済額(公債費)の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。18%以上だと、新たな地方債借入をするために国や都道府県の許可が必要になり、25%以上だと借入を制限されます。
4.将来負担比率 地方公共団体の借入金(地方債)など現在抱えている負債の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。
5.財政力指数 地方公共団体の財政力を示す指数で、基準財政収入額(標準的な地方税収)を基準財政需要額(行政事務の必要経費)で割ったものです。
数値が高いほど自主財源の割合が高く財政状況に余裕があるといえます。
6.実質収支比率 その年度の実質収支額を標準財政規模で除して得られる比率で、普通3%から5%程度が望ましいとされています。
7.経常収支比率 地方公共団体の財政構造の柔軟性を判断するための指標で、人件費、扶助費、公債費のように毎年度経常的に支出される経費(経常的経費)に充てられる一般財源の額が、地方税、普通交付税を中心とする毎年度経常的に収入される一般財源(経常一般財源)と減税補てん債及び臨時財政対策債を合計した額に占める割合です。
この比率が高いほど財政構造の硬直化が進んでいることを表します。

基金と町債

 財政調整基金の平成28年度末現在高は3億1,897万7千円であり、前年度末から5,932万円の減となりました。大山崎町の住民1人あたり基金残高は、特定目的基金を合わせても、京都府内26市町村の中で3番目に少ない額となっています(平成27年度末時点)。

 基金は、家計でいえば貯金のようなもので、災害や思わぬ収入減などのもしもの時に備えておくべきものです。また、今後、以前からの課題となっているJR山崎駅のバリアフリー化や都市基盤整備、公共施設の老朽化対策などが控えており、これらの事業にかかる経費については、地方債を発行して行うことが見込まれますが、将来の返済に備えて、適切に基金への積み立てを行う必要があります。

 また、町債の平成28年度末現在高は53億5,961万4千円であり、前年度末から1億4,673万9千円の増となりました。

 ただし、現在高のうち約65%を、普通交付税の代替財源である「臨時財政対策債」が占めており、この「臨時財政対策債」の返済に要する経費は、後年度において、すべて普通交付税として措置されます。

町債残高の推移(28)

引上げ分の地方消費税交付金(社会保障財源化分)が充てられる社会保障施策に要する経費の状況

 平成26年4月1日から消費税率(国・地方)が5%から8%へ引き上げられたことに伴い、地方消費税交付金の増収分については、その使途を明確化し、社会保障施策に要する経費に充てるものとされています。

 大山崎町の平成28年度一般会計決算における地方消費税交付金(社会保障財源化分)の充当状況は、次のとおりです。

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更新日:2018年03月16日