油の産地 自治都市としての繁栄 編

油の産地~自治都市としての繁栄編(広報おおやまざき平成27年9月号掲載分)

天王山のぼるくん

淀川散歩さん、こんにちは。

最近なんだか老けこんだんじゃない?

エゴマ油でも摂ってみたら?老化予防になるらしいよ。

淀川先生

厳しいこと言うね、のぼる君。

そのエゴマ油の産地として、中世、大山崎町は大いに栄えたことは知っているかな?

当時はね、エゴマ油は燈明油として使われていたんだ。

のぼるくん

へえ。今でいう照明をつける電気みたいなものだね。

よどがわせんせい

そうだね、エゴマ油の産地は、いわば「電力会社」だね。

大山崎の神人(じにん)がエゴマ油を生産していたんだ。

鎌倉・室町時代、神人たちは、団結して八幡宮の力を背景に、西は九州から東は美濃国までの広い範囲で油の専売権を得ていったんだよ。

のぼるくん

大山崎の神人は、各国の関所の通行料を免除されていたんだよね。

よどがわせんせい

い、意外と詳しいね、のぼる君。

そのころ、大山崎の神人といえば油だけでなく、同じく日常に不可欠な鉄も扱ったりして、商人として大きな力をつけていたんだよ。

油販売による豊かな経済力によって大山崎の町も活気に満ちて、多くの貴族や文化人も訪れることになったんだ。

そして、足利三代将軍義満の時代には、大山崎は、御教書(みぎょうしょ)をもらうんだ。

のぼるくん

御教書って?

よどがわせんせい

将軍が出す文書だよ。その経済力と京の喉元という立地のために、大山崎は室町幕府にさまざまな形で保護されていたんだよ。

この御教書では、大山崎の神人の居住範囲を対象に一種の自治権が認められたんだ。

江戸時代にも大山崎は引き続き徳川幕府から同様の扱いを受けていたんだよ。

のぼるくん

自治権ってどういうこと?

よどがわせんせい

離宮八幡宮境内に「従是西八幡宮御神領守護不入之地」と書かれた石碑が立っているのを知っているかな。

これは、「これより先は八幡宮の神領なので守護(領主)は入ってはいけない」という意味で、かつては町の両端に建てられていたんだ。

大山崎は守護の干渉外に置かれ、課税も免除されていて、幕府から独立した「自治都市」だったんだよ。

のぼるくん

へえ。すごいね、大山崎は。

僕も、その御教書がほしいよ。最近、お母さんの干渉がきつくって。

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更新日:2017年03月23日