○下水道工事施行に伴う損失補償の取扱い基準
令和5年4月1日
企管規程第10号
(趣旨)
第1条 この基準は、大山崎町下水道事業の円滑な遂行と損失の適正な補償の確保のため、公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱(昭和42年2月21日閣議決定)に定めるもののほか、下水道工事施行に伴う補償の原則的な取扱いを定めるものとする。
(補償額算定の時期)
第2条 下水道工事に起因する損失補償額は、契約締結(解決)の時の価格によって算出するものとし、その後の価額の変動による差額については、追加払いしないものとする。
(補償を受ける者)
第3条 損失の補償は、土地、家屋等の権利者(以下「権利者」という。)に対し個別に行うものとする。ただし、個別に行うことができないときは、この限りでない。
(損失補償の方法)
第4条 損失の補償は、原則として金銭をもって支払うものとする。ただし、権利者の都合又はその他特別の事情により大山崎町(以下「町」という。)又は当該損失補償の原因となった下水道工事の請負人(以下「請負人」という。)が直接補償工事等の方法により行うことができる。
(支払)
第5条 補償費の支払は、権利者の支払請求により請求の日から40日以内に支払うものとする。
(請負人の負担)
第6条 損失の補償が次の各号のいずれかに該当する場合に生じたときは、請負人の負担とする。
(1) 掘削深が1メートル以下の場合、又は掘削深が1メートルをこえ、埋設管渠の外側線から対象建築物までの水平距離が当該掘削深以上の場合
(2) 工事において設計工法を遵守せず、善良な管理義務を怠った場合
(3) 損失の被害額算定において事前調査が不十分なため、被害度の判定が困難となる場合
(4) 町が認めた移設及び切替等を必要としない地下埋設物(水道、ガス、電話、電気等をいう。)の工事施行上の移設、切替等が生じた場合
2 前項第1号に該当する場合にあっても、工事現場の施工条件又は対象建築物等の状態により水道事業及び下水道事業の管理者の権限を行う町長(以下「管理者」という。)が特に必要と認めた場合は、請負人の負担としないことができる。
(町の負担)
第7条 この基準に定める損失補償は、前条第1項に定める場合を除き町の負担とする。
(建物その他工作物に対する補償)
第8条 下水道工事に起因して生ずる地盤沈下、その他の事由により、建物その他工作物の損傷、機能の著しい低下があったときは、当該建物その他工作物の損傷復旧、機能復旧に要する費用を補償する。
2 前項の場合において、建物、工作物等の基礎構造部の損傷以外の損失補償は、次のとおりとする。
(1) 壁面補修 壁面に目地切れ、ちり切れ又は亀裂、剥離が生じた場合は、同質同色の材料で損傷のあった壁面区画の補修塗りを行う。ただし、常に居住の用に供している室で補修区画が他の区画の色と著しく異なることとなることが予想されるときは、必要最少限度の範囲内で補修塗りをすることができる。
(2) 床面補修 床面、犬走り、階段等に沈下が生じた場合は、沈下量と同厚の補修塗りを行う。ただし、沈下量その他の条件により補修塗りをすることが好ましくない場合は、既設部分をとりこわして新設することができる。
3 第1項の損失補償の原則は、原形復旧に要する費用を補償するものとし、当該建物、工作物等の経過年数及び維持保存の状況に応じて査定する。ただし、原形復旧が困難なときにおいて当該建物、工作物等の財産価値の低下が認められた場合は、その差額を査定し補償するものとする。
(精神的損失その他に対する補償)
第9条 精神的損失に対する補償、見舞金、迷惑料等これに類する不明確な名目による補償等は、一切行わないものとする。
(営業補償)
第10条 営業補償は原則として行わない。ただし、次の場合においては、その費用を補償することができる。
(1) 工事期間中の商品等の出し入れのため、次に定める特別の費用を必要とするとき。
ア 通常の出し入れが不可能であり、特に商品等の運搬経費が必要と認められるもの
イ 商品等を他の場所に一時保管する必要が認められ保管費用を要するとき。
ウ その他必要と認められる経費
(2) 第8条第1項の修復工事期間中において、休業することの必要が認められるとき。
ア 通常休業を必要とする期間中の営業用資産に対する公租公課等の固定的な経費及び従業員に対する休業手当相当額
イ 通常休業を必要とする期間中の収益減(個人営業の場合においては、所得減)
ウ 取扱商品、原料等の腐敗が認められるもの又は予測されるため処分をした場合の仕入経費及びその処分に要した経費
(療養補償)
第11条 下水道工事に起因する震動、騒音等が病人等の療養に支障をきたすものとして、医師が工事期間中入院の方法等を講ずることが必要と認めたときは、入院等に要する費用を補償することができる。
(立木補償)
第12条 下水道工事に起因したことが明らかである立木の枯損による補償は、枯損により通常生ずる損失(収穫樹にあっては減収による損失を含む。)を観賞樹、収穫樹等の区別により補償することができる。
(井戸補償)
第13条 下水道工事に起因し、浅井戸等が枯渇し又は水位低下し、使用に支障をきたすこととなった場合は、通常の使用に復するために必要な仮設ポンプの設置に要する費用又は上水道により給水を確保するために要した費用を補償することができる。
(車庫補償)
第14条 下水道工事に起因する交通制限により自己の所有する車庫等が一時的に使用できないようになった場合は、支障期間中当該地区に存在する貸車庫等を賃借するための費用を補償することができる。
(補償等の算定基準)
第15条 補償費の算定は、京都府土木工事実施設計積算基準及び歩掛表により算定するほか近傍同種の実勢単価を参考にして算定する。
(雑費)
第16条 権利者が補償の交渉、業者の選定又は補償工事等に関し必要な費用に充てるため、次に定める範囲内の雑費を支払うことができる。
雑費 | ||
直接額 | 100万円以下の場合 | 5% |
直接額 | 200万円以下100万円をこえる部分 | 4% |
直接額 | 400万円以下200万円をこえる部分 | 3% |
直接額 | 400万円をこえる部分 | 2% |
(補償金の端数計算)
第17条 補償金は、各補償区分毎に直接額と雑費を合計し、1,000円未満を切り捨てるものとする。
(事前調査等)
第18条 請負人は、下水道工事の施行に伴い損失補償の発生及び発生が予想される建物、その他工作物等(以下「対象建物等」という。)について別記に定める「下水道工事施行に伴う事前調査事項」の示すところに従い調査を行い、その結果を管理者に提出しなければならない。
2 前項の調査は、監督員及び対象建物等所有者の立会のもとに行わなければならない。
(補則)
第19条 この基準の実施に関して必要な事項は、管理者が別に定める
附則
この規程は、令和5年4月1日から施行する。
別記 下水道工事施行に伴う事前調査事項
基準第18条の事前調査等は、次により行うものとする。
1:調査の時期 工事の着手前及び工事完了後とする。ただし、監督員の指示等により工事期間中にも随時行うものとする。
2:調査記録 調査結果は、調査記録表(様式第1号~様式第4号)に詳細に記録し、記録箇所の写真を撮影する。
3:調査事項 対象建築物等の種別、用途に応じ、それぞれ分割して次のことを調査する。
(1) 垂直度、水平度及び高さの記録
(2) 亀裂箇所の記録
(3) 門、扉、窓その他建具の開閉具合の確認
(4) 目地切れ又はちり切れの記録
(5) 浮き具合又は隙間の記録
(6) 庭園の状態及び立木等の活着の記録
(7) 井戸の調査
ア 水質調査
イ 水位の記録
ウ ポンプの状態